世計り神事


例大祭における神事は「世計り神事」という和漢三才図会にもある古い神事で、例大祭前日に滝の坂の吾妻社(現・不動堂)からの「お水取り」から始まります。


当初は毎年霜月(11月)15日に御酒水と稱し壺の中の麦麹と水を入れて神殿内に収め、翌年15日にこれを検してその酒の減り具合で炎天の度を占い、濁り具合で気温を知り、四海吊るした四方位の札の落ち具合で風位風向を占うというものでした。これは陰陽の呪術による予知法であり、その方法は守山大明神が海上はるかに出現して啓したと伝えられています。


この例祭の日取りは変遷がかなりあったらしく、

1. 11月15日にお水取り、翌年正月15日に世計り
2. 11月15日にお水取り、翌年11月14日に世計り
3. 8月21日にお水取り、翌年8月20日に世計り

という経過で変わってきて、現在は

4. 8月最終日曜日にお水取り、翌年8月最終土曜日に世計り

という日程になっています。

これらの神事は葉山町の民俗無形文化財に指定されています。


お水取り神事の渡御隊列


神輿渡御とは御神体を神輿に移す御霊入れが行われた後、町内を練り歩く神聖な儀式です。

神輿を担いで練り歩くと言うことは、奇稲田姫命が町内を巡幸するという意味があります。


     せんどう

先導

先導は隊列の先頭を歩き、全体の動きを見ながら、歩くスピードや休憩のタイミングなどを交通整理と共に調整するリード役です。

     きやり

木遣

木遣は様々な作業の掛け声が歌へと変化したもので、祭礼では神輿の立ち上げや巡行時の景気を盛り上げる役目を担っています。

     だ し

山車

山車は祭りをにぎわす笛や太鼓のお囃子方を乗せて隊列を巡行します。大きな台車は曳き山とも呼ばれ、人が曳いて動かします。

     じつげつき

日月旗

日月旗は金色の太陽と銀色の月が刺繍され、太陽は天照大御神(アマテラスオオミカミ)、月は月読尊(ツクヨミノミコト)を表わします。


     しゃごうき

社号旗

社号旗は森山神社の名前を記した旗です。森山社のシンボルともいえます。旗は直接地面に降ろしてはいけないので、専用台を利用します。

     お み こ し

御神輿

御神輿は森山社の葱花輦神輿(そうかれんみこし)を台車に載せて曳きます。休憩所では乳幼児が抱かれて下をくぐる神輿くぐりも行われます。

     こ ど も み こ し

子ども神輿

子ども神輿は子ども会の子ども達や、一般参加の子ども達によって交代で「わっしょい、わっしょい!」と担がれながら同行します。

     かなぼう

金棒

金棒は「チャリン棒」とも呼ばれる鉄の棒で、地面に突き立てて音を鳴らすことで露払いをする役目を果たしています。


     みずやこし

水屋輿

水屋輿はお水取りで最も重要な水がめを運ぶものです。この輿は地面に直接降ろしてはいけないので休憩の時も棒に載せて浮かしています。

     そうだい

総代

総代は氏子会の町内会代表者です。大祭などでは神職や役員なども隊列に加わることがあります。

     はやし

囃子

トラック車載によるお囃子方です。山車の囃子と同じように笛や太鼓で隊列の後部を盛り上げます。

     しょうぼう

消防

最後尾は消防による警備の車両が見守っています。



世計り神事に使用する方角が記された木札
世計り神事に使用する方角が記された木札
御酒水と稱し壺の入った箱
御酒水と稱し壺の入った箱

四方位の札の具合を占う
四方位の札の具合を占う
占いの結果を札に記す
占いの結果を札に記す

結果発表
結果発表
平成二十五年は豊作
平成二十五年は豊作

翌日の本祭でお水取り神事に出発
翌日の本祭でお水取り神事に出発
吾妻社に向けて渡御する
吾妻社に向けて渡御する

吾妻社に到着
吾妻社に到着
八乙女からも2名が参加
八乙女からも2名が参加

神聖な水を輿に入れたら再び渡御
神聖な水を輿に入れたら再び渡御
森山社へ到着
森山社へ到着

玉串奉奠の後、八乙女奉納
玉串奉奠の後、八乙女奉納